社長室~『経験+アイデア=プラダ』

February 22, 2012|ドディチタイルのお話

ドディチタイルの社長、トリーニです。
年明けの目標として、以前イタリアの企業は「伝統技法を尊重し、歴史を未来につなげていく」という文章をまとめました。
インテリアアクセサリーのアレッシ社、照明器具のバロヴィエ社の例を挙げました。
私たちがオリジナルタイルを作り続けている思いを伝えたくて、下記の記事を纏めました。
一度読んで頂ければ、幸いです!

伝統文化

考えてみたら、銀メッキもガラスも、正式な技法として定着するまでに、アイデア・パッション・実験性から生まれてきたものなのです。時代を通して伝えられてきた「形」は価値あるものですが、完成に行き着くまでの過程や目的の方がさらに大切なのではないでしょうか。
ルネサンス時代の有名な英国人Thomas More氏がいっているように、
Tradition is the tending of the fire, not the worship of the ashes.
(伝統とは火を守っていくことであって、灰を崇拝することではない。)
伝統技法を維持しようと保存してしまうと、ミイラ化させてしまうという危険性があります。

元気なものづくりを木のように考えてみてください。根っこが深く、幹も太いですが、フレッシュな花を咲かせます。


ここで、以前の話の例に追加して、アパレルのPRADAの裏話を紹介します。

1913年、鞄・スーツケースのメーカーとしてマリオ・プラダは、ミラノのガレリア内に店舗をオープンしました。その店は、耐久性があり、飽きがこないというキーワードで認知度を上げていき、イタリア王室も御用達となりました。
戦後は、高品質のトラベル用品を、ニッチ市場の中で展開し続けていきますが、マリオの孫娘であるミウッチャの代に、大きな変化がもたらされます。1970年からは、洗練されていながらも、個性的かつ挑発的なスタイルで誰もが予想できないファッションを、次々と提案し始めたのです。異なるテクスチャの織物の組合わせや、革の代わりにナイロンを使って作った敢えてノーネームとしたアイテムたちが、この会社を世界でも有名な会社へと成長させていくのです。もちろん、ミウッチャは、トレンドリーダーとしても、オーラのあるすばらしいクリエーターですが、彼女も、知識のある職人たちの協力を得ながら、良質のものを作りたいという祖父のマリオ同様の信念をもっていました。1988年には、PRADAが初めてのウィメンズコレクションを発表し、ラディカルシックファッションがブランドの代名詞になります。1993年には、新ブランドMIUMIUをスタート、同時にメンズコレクションであるプラダsportを始めます。また、1995年からはチャレンジ好きなミウッチャはアートの世界にも手を広げ、Fondazione Pradaをスタート。
発展に伴い、企業が単に大きくなるだけでは面白くないと思いませんか。花を咲かせなければ意味がないでしょう。
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